親子の連鎖に気が付いたとき
タイトル:親子の連鎖に気が付いたとき
担当:長谷川 さとみ
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新しい年がスタートしましたが、
皆さんはどのように新年を迎えられたのでしょうか。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
この年末年始に改めて感じたことを書いてみます。
人とコミュニケーションを上手く取れない、というお話の中で
「それはきっと子どものときに、
親からこんな扱いを受けたせいなのかも…」
と、仰る方がよくおられます。
「こんな扱い」とは、押し付けのような過保護だったり
かまってもらえないという放棄だったりするのです。
こんな風に、自分の過去をさかのぼって考えてみると
どのような子ども時代を過ごしてきたのか、
どんな育てられ方だったのかを否が応でも知ることになります。
また、今はそんな自分が親になって
子に対してやっていることにも目を向けますね。
私も最近はこれらのことをよく考えるようになりました。
そしてつくづく、
人間を育てることがいかに大切かを思い知らされました。
無意識で親から受けたことを子に対してもやっている事実。
当たり前ですよね。
それが自分の中の常識なのですから。
こんな年になった私でさえ、
母親から言われることに従おうとしています。
でも、最近は意識して考えるようになりました。
それに従うのか、従わないのか。
選ぶことが自由にできる大人になったことを…
昨年の暮れ、長女が言いました。
私が言ったことに対して、
「まあ、それをするかどうかは自分で決めるけどな…」と。
思わず、「そう、そう。そうやな…」
そんな風に言うようになったんだと
驚きながらもよかった、と思いました。
彼女が自分で選ばないと、
私はまたいつもの押しつけをしてしまうかもしれない。
子の成長は親の成長へと繋がります。
今度は次女の場合。
まだ親の言う通りにしないといけないと感じているようです。
親の言うことに従ってきたので、
自分の意思を伝えることをしてこなかった。
言いたいことがあっても上手く表現できず、
納得できないイライラが顔や態度にまで出ています。
それを見ていて親の方までもがおもしろくない感情になります。
お互い言わなければ気持ちが通い合わないと
分かっているのに、そのままにして蓋をしてしまいます。
今まではこんなことの繰り返しでした。
その時の気持ちの悪い感情には蓋をしたままでした。
でも、考えてみました。
そういえば、自分も親とはネガティブな感情ほど
言い合ってこなかったな・・・
ということに気がつきました。
うやむやのまま通り過ぎてきてしまいました。
だから、今でもそのままです。
あの時嫌だったな…
その時、こう言っていれば…
心の底の方に残ったままの感情があることに
気がつきました。
この年末年始に私も実家で母親と過ごしました。
やはり、人とコミュニケーションを上手く取れない
ことがあるという母親の話をよく聞きます。
「思ってることを伝えないからやん。」
と言う私の意見はどうやら聞き入れてもらえません。
「言ってもめごとが起こるくらいなら、
言わない方がいい。」という考えのようでした。
「それで納得ならいいけど、しんどいんじゃないの?」
と、聞き返しても考えたくない様子の母親。
この程度の話は何度かしてきたのですが
今まで、娘である私からこんな話をされたことが
なかった母親にしてみれば、困惑してしまうのでしょう。
なかなか受け入れてもらえない状態です。
ですが、考えるか考えないかを決めるのも母親次第なので
付かず離れず見ていこうと、私は決めました。
話は次女に戻ります。
自分が子どもに押し付けのようなことを
いっぱいしてきたかもしれないと謝りました。
その上で、これからは自分で考えて選んでいいことを伝えました。
でも、言いたいことが上手く言葉に出来ない娘です。
「やればいいんやろ。」と投げやりに言います。
「いや、違う。やるかやらんかアンタが決めていいねんで。」
こう言っても、困惑しています。
無理もありません。今までやったことがないのですから。
というか、私がやらせてあげなかったのですから。
「お母さんが言ったことに対して、
自分の意見と合わないことがあるときは
それを言ってくれないと分からないから、
それでいいと思ってしまう。」
「自分で考えてアンタが選んでいいねんで。」
私も子どものときに、
親から言われたことは無かったのでは、と思います。
でもだからこそ、今は言います。
もっと早く言ってあげればよかったと反省しつつ
これからは違う道を選ぼうと決めた私です。
まずは、自分が違う道を進みたいと思っています。
子どもらがそれをどう受け止めるかは
今は分かりませんが・・・
昨日、「はじめてのおつかい」という
TV番組を次女と二人で見ました。
小さい子が好きな次女は、
そのかわいさに笑みがこぼれていました。
私はその小さな子ども達に対応するお母さんやお父さんの姿に、
自分はしてもらえなかったと感じることや
親になった自分が子にしていなかったことを
改めて思い巡らして、涙がこぼれました。
そして、「これからでも出来ることをやっていこう」
と、年頭の目標にしてみました。
今、親子間でしんどさを感じている人は
十代の君でも、ベテランの親であるあなたでも
『人生は自分で選択していい』
と、考えてみることも出来るのではないでしょうか。
by exkokoro | 2011-01-12 15:01 | 家族 | Comments(0)