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痛みよさようなら


タイトル:痛みよさようなら
担当:長谷川 泰三
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今回は私自身のセラピー体験をお話ししましょう。

私自身が12年前にカウンセリングしてもらったときの話しです。

私達の心と身体は大き く影響しあっています。

カウンセリングをしていると心の問題が身体の問題になって出ている場合が多くあります。

今回のテーマは「痛み」と心についてです。

私は20年前に交通事故 で脊髄を損傷し、それが原因で両足がマヒして車椅子に乗っています。

当時の私にとっては、車椅子の生活をしなければならないことはとても大きな問題だったのですが、実は問題はそれだけではありませんでした。

その後、私は「死ぬほ ど痛い神経痛」にずっと悩まされることになったのです。

その神経痛は10日に1 回くらいの間隔で私の右足を襲いました。

一度痛くなってしまうと、どんなに強い痛み止めでもその痛みを抑えることはできません。叫び声をあげるような激痛が丸一日は続きます。

車椅子の生活には時間とともに慣れることができたのですが、この「神経痛」の痛みには慣れることはできませんでした。

いつ襲ってくるのかわからない神経痛、それはまるでいつ爆発するのかわからない時限爆弾を体に抱えて生きているような感じでした。

最初はこまめに病院に 通い、神経痛に効くと聞けば色々な治療法も試してみましたが、効果はありませんでした。

大量の痛み止めを持ち歩き、痛みがおきそうになると持っている痛み止めを全部使い果たす。それでも痛みはおさまりませんでした。


「病院なんて行ってもしかたないし…どうせ治らないんだ!」


病院へは薬がなくなっ た時に、痛み止めをもらいに行くだけになりました。

私は捨て鉢になっていました。

私にとって痛みを治すことをあきらめるということは、同時にたくさんのことをあきらめるということでした。

旅行先で神経痛が襲ってきたらどうしようと思うと旅行にも行けません。

デートは?仕事は?何もできなくなってしまう、という恐怖は言葉にはできないくらい大きなものでした。

その恐怖が私に大量に痛み止めを使わせました。

薬の副作用で体はガタガタになり、内臓にも悪い影響がではじめました。

「長谷川さん顔色悪いよ」と言われることが多くなり、周りの人もずいぶん心配してくれました。

そんなある日お世話に なっていたカウンセラーが私が苦しんでいることを知り電話をかけてきてくれました。


「そろそろ神経痛のセラピーを行ってみませんか?」

「せっかくですがセラピーで治るとは思えないんです」

「そうとも限らないよ」

「色んな所に行ってみましたが、全然だめだったんです」

「でも、心理療法はまだやってないでしょ?」

「ええ」(あまりにも激しい痛みのため、心理療法で治るとはそうなんて考えもつきませんでした)

「本当によくなるんですかね」

「心の力って案外すごいものだよ」


カウンセラーの言葉に 半信半疑ながら、面談カウンセリングをお願いしました。

数日後、カウンセリン グルームに出向いた私は正直に気持ちを話しました。


「あまり期待はしていないのです」

「どうしてですか?」

「期待してダメだったことが多かったもので」

「裏切られることが多かったんですね」

「そうです。だから期待しないようにしているんです」

カウンセラーはカウンセリングの中で神経痛の痛みのつらさや、それを抱えているためにどこにも行けなかったこと、いつ襲ってくるかもしれない痛みに対しての不安などを根気よく聞いてくれました。


「もう死にたいって思ったことが何度もあるんです」

「それは辛かったですね。その足がそんなに痛むのですか?」

「こんな足なんか切って捨ててしまいたいって思いました」

「でも、その足はあなたの一部なんですよ」

「でも憎い!でも憎い!こんな足なんかなくなってしまえ!」


私は自分の右足を叩いていました。

しまいには涙が出てきて止まらないようになり、ワンワン泣きながら力いっぱい右足を叩きました。

この足が悪い!この足が私を苦しめる!まともに歩くこともできない上に私をただ痛めつけるだけの足なんか切り落として捨ててしまいたい!

その時、カウンセラーが私に意味不明なことを言ったのです。


「長谷川さん、もしそんなにひどい痛みをあなた自身が望んでいたとしたらどうしてだと思います か?」

「そんなことは絶対にないです。 あるはずがない!」

「あなた自身も気付いていないかもしれませんが、その痛みに目的がある
としたら....」

「私はあなたの言っていることがよくわかりません!」


私は怒りをカウンセラーにぶつけました。

この人も私のことを分かってくれない!私自身が自分の足を痛めつけてるだなんて、そんなことあるはずがない!


「長谷川さん、もっと以前、子供の頃に大きな病気やケガをしたことはありませんか?」

「子供の頃は小児ぜんそくにかかっていましたけど....」

「小児ぜんそくですか。どんな時に発作が起きたか覚えていますか?」

「あまり覚えていません。小児ぜんそくと神経痛は関係あるんですか?」

「はい、多分関係があると思いますよ。少し子供の頃のお話しを聞かせてもらえませんか?」

「子供の頃のことですか....」


私はそれまで、あまり他人に子供の頃の話をしませんでした。

思い出すと嫌な感じがして、またあの時代が戻ってくるような気がしたからです。

4才のときに両親が離 婚したこと、親戚や母親の友人に預けられていたこと、母親の再婚、新しい父親とうまくいかなかったこと、小学生の頃からアパートで一人暮らしをしていたこと、ずっと寂しかったこと…そんなことを話していると涙が出てきてしかたありませんでした。


「ずっと寂しかったんですね」

「…」

「長谷川さんの痛みの原点を探すためにやってみたいことがあるんだけどいいかな?」

「どんなことをするんですか?」

「心が持つイメージの力を借りるのです」

「イメージの力ですか?」


私はベットに横たわり目を閉じました。


「長谷川さん、今、足は痛くありませんか?」

「少ししびれが強くなってきました」

「他に痛みを感じる部分はありませんか?」

「胸の部分が少し」


私はそう言いながら「足と胸(ぜんそく)」が関係しているかもしれないと思いました。


「では、それを感じていてください。感じながら何か思い浮かぶものはありますか?」

「子供の頃…多分4才の頃に住んでいた家だと思います」

「誰かと一緒にいますか?」

「いえ、一人でいます」

「その子は一人で何をしていますか?」

「せきをしています」

「では、そのせきをしている4才のあなたの気ちを感じてみてください」

「はい…とても不安で寂しい感じがします」

「その子は何か言いたがっていませんか?」

「はい。でも我慢しなきゃいけないって思っています。だんだん足が痛くなってきました」

「その子は何を言いたがっていますか?」

「助けてって言うのを我慢してます」

「その子に言ってあげてください“我慢しなくてもイイんだよ”って」

「ダメだ!言っちゃダメなんだ!お母さんが困るから…足が痛い!痛い!う~痛い!」

「長谷川さん、助けを求めてイイんですよ!言ってあげてください。その子のために“助けて”って言ってあげてください」

「うー痛い!痛い!痛いー!お母さん助けて」


気がつくとカウンセラ ーが私の足をさすってくれていました。

そしてもう足の痛みは消えてなくなっていました。

あなたにとって『痛み』というのは助けを求める声だったんですね

「確かに私は母親に助けを求めない子供でした」

「なぜだったか分りますか?」

「母親が困ってしまうような感じがあったからです」

「やさしい子供だったんですね」

「母親もがんばっていましたから、私ができることは『がまん』くらいしかありませんでした。助けを求めちゃいけないと思っていたんです」

「子供のころは喘息の発作... 大人になってからは神経痛... 長谷川さんが辛くて助けて欲しいとき、そしてそれを我慢したときにそれがおこるみたいですね」

「たしかに、そうですね」

「簡単にいえば助けを求めない分、足が痛くなるということです」

「はあ、ということはちゃんと助けを求められれば神経痛がなくなるということですか?」

「そうかもしれません。どうですか、やってみる価値はありませんか?」

「ええ、それで神経痛が治るのならやってみたいと思います」


このカウンセリングをきっかけに、足の痛みは私を苦しめるものではなくなりました。

何よりもよかったことは、周りの人達と深くつながることが出来るようになったことです。


「神経痛よありがとう!私に助けを求めることを教えてくれて、ありがとう さようなら」
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by exkokoro | 2011-04-13 19:45 | 心とからだ | Comments(0)

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