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自分のコンプレックスを知る



タイトル:自分のコンプレックスを知る
担当:仁平 ゆみ子カウンセラー
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皆さん、こんにちは。 仁平ゆみ子です。
家族がテーマの第2弾は、
その関係性に深い影響を持つ「コンプレックス」について考えてみようと思います。

わが子を見ていて『なぜかわからないけどイライラする』
ママ友に対して『なんだか虫がすかない』
自分ひとり『気分が沈んで仕方がない』 

子育て中、私は何度こんな気分におちいったことでしょう。
この情緒の不安定さは、一緒にいる夫や子供たちにも感じられ影響するので
家族の問題ともなりますね。
これがどのようなコンプレックスと関連するものなのかなかなかわからないものです。


「コンプレックス」というのは、
怒りや悲しみなどの強い感情、体験、思考が無意識的に結びついている状態です。

「劣等感コンプレックス」はただ単に人より劣っているという感情だけではなく、
そのことに強い感情が無意識的に結びついている
自分の内面の複雑に絡み合うかたまりのようなものですね。
かなり厄介な扱いづらいものなので、あえて自分のコンプレックスを知るなんて、
冗談じゃないよと思う方もたくさんいるでしょう。


自分の中にある無数のコンプレックスを知り、対決、解消できたとしたら、これは人生の一大事業です。

結婚して子育てすること自体が、このチャンスに恵まれるといっていいでしょう。
否が応でも自分のコンプレックスと対決することがあるのが、子育てでしょうか。


自分の親が子供の教育に無関心だったことを不満に思い批判的になっていた私が、
母親になったらわが子の早期教育にはまり、精神的にクタクタになった体験があります。
親を反面教師にしていた私は、親の欠点から自由になったとはいえないのです。


相反するものが強いのもコンプレックスの特徴です。
強い劣等感コンプレックスを持つ人は、どこかに強い優越感コンプレックスを持っているのが常です。

たとえば、「私は頭が悪いから駄目なんだ」と自分を卑下したリ引っ込みがちの人も
実は背後に「環境さえ恵まれていれば私だってできるはず」と大きい優越感コンプレックスがあり、
その大きな落差によって余計に劣等感を感じさせられているのです。

私の場合は母親に対する強い批判と不満があり、
母と逆のことをやることに強いエネルギーを持っていました。


自分がやってもらえなかったことをわが子にやってあげたい、という強い思い、それは過剰なくらいでした。
子供の友達、ママ友、夫の友人たちを家によび料理をもてなすこと、
夫の親戚づきあいに手を抜かない、などムキになって心がけていたのです。
傍から見れば手作り料理好き社交的な母親でしたが、
内面的には苦しくてわけもなく(実はわけがある)イライラする。楽しくない・・・

料理上手な女性に出会うと、何ともいえぬモヤモヤ感をもってしまう。嫉妬なのでしょうね。
私だってもっとできるはず・・・と言う思いと、この人に負けるかも・・・という焦る気持ち。苦しい。

たとえば、料理の場合、「私は作るの苦手だから、おいしくいただくわ」と心から喜んで、
人の作った料理を食べる私の友人は、料理に劣等なだけで、コンプレックスはないのですね。


私はあきらかに料理コンプレックスを持っていたわけです。
この時の私は、料理がうまくなければ、
妻として母親として人間として、価値が低くなると思い込んでいたことがわかります。

友人は、料理が下手だからと言って、
妻として母親として人間として価値が低くなるなどとは思っていないし、
人としての尊厳が損なわれない、自然体でのびのびとしているのが特徴です。

私の場合、料理コンプレックスの奥に別のコンプレックスが隠れています。
母親のようになりたくないコンプレックス(?)が複雑にからみあっているので、なんとも厄介でした。
実はコンプレックスというのは、別のコンプレックスが複雑に絡み合っているのです。

なかなか受け入れがたいのがコンプレックス、
それを他者に無意識に投影して悪口言ってしまう、批判してしまうのもよく見かけます。


長男は、なぜか幼いころから激しい悔しがり屋でした。
ちょっとしたことから、大きなことまで、自分の思い通りにならないとひとりでゴミ箱に八つ当たりしたり、
ある時はこぶしを椅子に打ち付けて骨折したことも! 
私は彼のこの悔しがり屋がどうしても嫌でたまらず見たくないと思ってしまうのです。
なんかみっともない、格好悪いとイライラしてしまう。

これは、私の中に同種のものを隠し持っていたこと、
そのことに気付いたとき、あっと驚き、笑ってしまいました・・・
私はないことにしたかったのに、息子が派手に悔しがるから。
これはわりと最近気付いたことです。今は余裕を持てます。


私の料理コンプレックスは、あるとき大変料理上手で
身体全体で楽しそうに料理を作る友人に出会いました。
彼女と台所に立つと、その段取りの良さに圧倒され、感動すらしてしまいました。
本当に楽しそうに豪快に作る彼女を見ていると私まで楽しくなることに気がつき、
そのときに何かが変わりました。

「私は段取り良く豪快に料理作ることができない。苦手だな。料理ってそもそも好きじゃないわ。」
こうしみじみ思えた時、何ともいえぬ、苦しみが伴いました。
しばらく、どんよりと元気がなくなり落ち込んだのです。
しかし、「自分は料理が得意ではない、特に段取り良く豪快な料理を作るのは下手だ。苦手だ。嫌いだ。」と
自分のありのままをすっかり認めたことが、コンプレックスから解放してくれたのです。
料理することに緊張感がなくなり楽になったのです。

これは大きな感動でした。
私は、じっくり時間をかけて下ごしらえした料理が好きなんだと
わかり、その分野の料理は楽しくなってきたのです。

コンプレックスの解消は、
①実際に本気で努力して練習を積み上手くなることによって克服する
②自分が出来ないことを、すっかりしみじみと認めることによって克服する


このどちらかだと思うのです。
②は、自分の劣等を認める苦しみを伴います。
①も相当な時間と労力がかかりますね。


コンプレックスの解消に大事なのは、愛情を背景とした対決です。
長年の間に夫に愛されていると感じることで、
何かが劣っているから自分の価値が低くなるとは思えなくなることが大きいです。


コンプレックスの内容はもともとドロドロとしたものだけれど、
根気よく対話を重ね、精錬の努力を惜しまなければ徐々に輝かしいものが生まれてくると信じています。

自分でもよくわからないイライラや、のびのびできない苦しさを感じたら、
カウンセリングを利用して自分の中の可能性をみつけてみませんか。

そんなあなたの人生を楽しくするお手伝いが出来たら嬉しいです。

他人のことが気になってしまう、わが子が心配でたまらない、
夫の言動が気に障ってイライラする、
その陰にはもしかすると
コンプレックスという厄介だけど、可能性に満ちたものがあるはず。
抑え込んだりするのはもったいないかもしれませんよ。

来月は、夫婦のありかたについて考えてみたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

by exkokoro | 2010-07-21 00:00 | 家族 | Comments(0)

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