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近くて遠い夫婦関係


タイトル:近くて遠い夫婦関係
担当:長谷川 さとみ
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皆さん、こんにちは。
「家族」がテーマの今回は夫婦に焦点を合わせてみます。


今から8年前の11月、その時暮らしていた夫の地元北海道は
既に冬支度が始まり、寒さが身に沁みる季節の到来でした。
そんなある日、夫は急遽亡くなってしまいました。

どこにいてもこの時期は私にとって、
立ち止まって考えたくなる、そんな瞬間があるのです。


夫婦ってもともと他人同士ですよね。
お互い全く違う家族の下で生きてきたはずです。
そんな二人が一緒に生活することで、
上手くいかないことが起こっても当然ですよね。
でも私はあるときから、ずーっと悩んでいました。
なぜ、解かり合えないのかと。
というより、自分の気持ちを解かってほしい。
と、思いながら私は自分の気持ちを伝えていなかった。
そして、相手の気持ちを解かろうと努力していなかったと思います。



夫は几帳面で生真面目、責任感が強く理想も高い人でした。
自分に厳しく完璧主義だったとも思います。
けれど、おもしろく人を笑わせ、話し上手。
誰にでも優しい明るい人でした。
子煩悩で家族のためにいつも楽しませてくれました。
周りの人によく言われました。「いいご主人ね」と。
本当にいい夫でした。

ところがそんな彼も会社で何かあると、
全部持って帰ってくることがありました。
とたんに自分の殻にこもり、一つの部屋に引きこもりだします。
訳も分からず、おろおろするだけの私。
そうかと思うとまるで子どものように八つ当たりもされます。
何だか私が悪いのかと思ってしまうほどで、しんどかったのです。


そんな彼にどう接していいのか解からず、
辛くて一人でよく泣いていました。
「いいご主人ね」と言われる度に、複雑な気持ちになり
また、そんな風に感じてしまう自分もいやでしんどかった。
言いたいことを心の中でまき散らし、わんわん泣くことで
何とか自分を保っていたような気がします。

ある時私の親友は、
周りの人は知る由もないそんな彼の姿を垣間見たのです。
とても驚いていました。
そして何も言えず耐えているだけの私に言いました。
「思っていることをぶつけてケンカでも何でもすればいいのに!!」と。
その親友はよくご主人と意見を言い合い、ケンカをするけど
次の日には元通り、わだかまりもなくなっているようです。

でも私は、言えなかった。何度かチャレンジしてみたのですが
何をどう言えばいいのか解からないまま、
いつも不完全燃焼で終わっていましたね。
今思えば、自分の気持ちと向き合っていなかったから
本当の心の奥にある気持ちに気がついてなかったのでしょう。

寂しい、苦しい、心細い、不安、空しい、だから悲しい。
そしてあなたのことが解かりたい。という気持ち。
それなのに、
「私の気持ちに気付いてよ」と求めてばかりいたのでしょうね。


夫も外では頑張っていただけ。
きっと、しんどいことがたくさんあったはずです。
家ではありのままを出していたのかもしれません。
自分の行動パターンに気付き、自分をもっとコントロールできれば
違った表現方法もあったかもしれないでしょうね。

私も恐れることなく、ストレートに感じたことを口に出さないと
相手には伝わらないことを学びました。
疑問に感じたこと、解からないこと。「なんで?」
それを『聞いてはいけない』という刷り込みが
どこかであったのかもしれません。


自分の本当の気持ちの部分を伝えないで
「解かってほしい」というのは、無理ですよね。
もともと他人なんですから。
人間関係の基本ですよね。
ただあの時は、いつも近くにいる夫が遠い遠い存在でした。


私は、してもらうことばかり考えていたのかもしれません。
彼の中で何が起こって、どんな気持ちがあって
どうしたかったのかを、なぜ聞かなかったんだろう…
それに対して、自分の考えや気持ちも言えたはずなのに。
血の通った生身の人間関係ができてなかったのだと思います。



私が心理学を学ぶことは、少しでも夫の気持ちが解かりたいから。
もう二度と聞くことはできない、彼の言葉を知りたいからです。

今のところ解かったことは、自分の姿勢ですね。
「言えない」「できない」という、ストッパーを外して
自分の思いを体当たりで伝えたい。
まず、自分を知ることが大事だと解かっただけです。
でもそれが解かったおかげで、今生きている子どもたちには
前回のコラムに書いたとおり、実行しています。
私にとっての大きな成長です。


夫が生きていたら、どんな夫婦になれたのか…
いつも考えるのですが、私にはもう相手はこの世にはおらず、
話しをすることはできません。
自分の思いを伝えたくても、夫の気持ちを聴きたくても
夫婦関係の再構築はできません。


今悩んでおられる多くの方には、
まだまだチャンスがあるのではないでしょうか。
パートナーがいる限り、幾つになろうと
諦めずに向き合ってみてほしいと思います。

自分がほんの少しの勇気を持って一歩踏み出すことで
二人の距離がまた近くなるかもしれませんよね。
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by exkokoro | 2010-11-10 16:40 | 結婚・夫婦 | Comments(0)

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