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わんこに学ぶ心理「人との関わり方が楽になる」

タイトル:わんこに学ぶ心理「人との関わり方が楽になる」
担当:大庭 久美子

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高校生の頃、近所に老夫婦と一匹のわんこが引っ越してきた。
庭に真っ白い秋田犬が座っていて、とてもかわいく思えたのでわんこと呼んでいる。

動物好きの私はさっそくわんこに会いに行った。
わんこに会えると思いルンルンしながら行ったら、
いきなりわんこに吠えられ、「うー」と威嚇されてしまった。

楽しみにしながら行ったのに、「何でほえるの?なんで威嚇するの?」と腹が立ち納得がいかず、
不満に思いながらもその日は家に帰ってきた。

次の日もその次の日も食べ物を持って、威嚇され吠えられても毎日わんこに会いに通った。

わんこを見に行ったある日のこと、老夫婦が庭にわんこを離していた。
吠えられるかなと思いながらも近づいていったら、わんこのほうから近づいてきてくれた。

老夫婦は足が悪く、散歩に連れて行けないので、わんこのことがかわいそうだと悲しんでいた。
他人にお願いしても誰にもなつかなかった。


毎日通う内に、吠えたり威嚇されたりすることもなくなっていった。
そして、散歩にも連れて行けるような関係にまでなった。


ある日のこと、わんこがフランスパンを食べようとしていた。
食べにくそうなので、親切心から、小さくちぎってあげようと思い、
手を出した瞬間に、ガブッと手を噛まれた。

「痛っ」手から血がしたたり落ち、しびれるほど痛かった。
「なんで噛むの」
「食べやすくしてあげようと思っただけなのに」
「いつも可愛がってあげてるのにムカつく」
わんこのことを信じていたので裏切られた気持ちになり、憎しみが湧いてきた。わんこに裏切られた悔しさや、情けなさで涙がとまらなかった。
「もう二度と会いになんかこない」と叫んで家に戻った。
わんこのことが許せなかった。
また噛まれるのではないかと怖くなり、わんことの距離を少し置いた。

それからしばらく、会いには行かなかったが、どうしても気になって覗きに行った。
恐る恐る近づいていったが、わんこは今まで通りに尻尾を振って嬉しそうに近づいてきてくれた。
「なんだ、気にしてなかったの」
「じゃあ、私の気持ちはどうしてくれるの」
「それとも反省したのかな」
無邪気に尻尾振って嬉しそうな顔を見ていると、自分が今まで悩んでいたことが馬鹿らしくなり、
「ふっ」と肩の荷が下りた感じがした。 噛まれたことなど忘れそうなくらい嬉しくなった。

あれ以来姿を見せなかったので、もう来てはくれないと思い老夫婦も悲しんでいたのだそうだ。

やがてわんこが立ち上がることが出来なくなってしまってからも私があいに行くと、
尻尾を振って嬉しそうに立ち上がろうとしていたことがとても印象的だった。

私たち(わんこと私)をいつも見ていた老夫婦が、わんこの嬉しそうな姿をみて
「私たちは笑顔になり、凄く幸せだった」と言ってくれました。

さてみなさんは日常で人間同士でもこんなことありませんか?
自分が相手に対して善意でやったことが、相手の反応が自分の思ったことと違って返って来たとき、
がっかりしたり、なんか裏切られた気分になることありますよね。

それは他人に期待をしすぎている場合が、あるかもしれません。 犬の場合は期待などしない、
相手がわんこだから人間の気持ちなどわかっていない。
わんこは理由をつけなくても無条件でかわいいから好き、だから許せる。

けれども、人間は相手に期待をしてしまったり、わかって当然と思ってしまうこともあるので、
なかなか許せない。それに嫌いなタイプだったら当然のこと。

しかしそれは、自分の思い込みの場合があります。
(この場合は、フランスパンが食べにくそうなので、ちぎって食べやすくしてあげれば、
わんこに喜んでもらえると思った)
よくよく考えると、わんこにも自分の考え事情があります。
私にフランスパンを取られると思ったのかもしれません。
わんこも自分を守るためにしたことなのです。

そのように人も考え方が違います。
それぞれ異なった価値感を持って生きているのです。
自分の期待に答えてくれれば、もちろん嬉しいことです。
ただそれはいつもそうなるとは限りません。

今回わんこは期待に答えてくれなかったし、謝罪もなかったのに気持が通じ合いました。
相手には色んな価値感があるのだということを認め、他者の意見を尊重出来た結果です。
そしてなによりも相手と仲良くしたいと思う気持があったからできたことです。

私たちは、もっと気楽に人との関わりが出来るようになれればいいなあと思っています。

by exkokoro | 2011-09-06 12:04 | 人間関係 | Comments(0)

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