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【考えすぎは毒?!】

タイトル:★フリー☆ 【考えすぎは毒?!】
担当:月野桂

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海外旅行していた時のことです。
ひょんなことから北インドの山間部に居るユダヤ人が宗教儀式を行う為の集会場で、手伝いをすることになりました。
数カ月ほど滞在していた私は彼らの試練に満ちた歴史、ユダヤ教の考え、今も続く混乱、そういった話をよく聞きました。
しかし彼らはそんな悲惨な状況のなかであっても皆一様に明るく、気さくで陽気な人々でした。
笑いや歌の絶えない毎日で、私はどんどん彼らが好きになっていきました。

そんなある日、イスラム系過激派を名乗る人からネット掲示板でユダヤ暦の新年を祝う日にテロを起こすという予告がはいりました。
私はそれを皮切りに、いろいろな不安や疑問、とめどない思いが心を揺るがし、頭を抱えベンチに座り込んでしまいました。

一人のユダヤ人男性が歩いてきてすれ違いざまにこう言いました。

「考えてもどうにもならないことは考えないことだよ」

真剣に悩んでいた私は思わず反論しました。

「でも…何もしなければ何も解決出来ないじゃない!」

「世の中にはどうしようもないことがある。困りごとは天災みたいなものさ。解決できるなら考えればいいさ。考えてもしかたのないことを考えすぎてるから…」

「しかたないって…何も考えずにいい加減になんて生きられない!」

「いや、僕が言いたいのは何も考えずにいい加減に生きろということじゃなくて、一人で頭抱えて悩んでいてもポジティブな考えは浮かばないだろってことさ」

言われて私はハッとしました。実はここ何日も悩み続けることで気分は滅入り、問題は解決に向かうどころか頭の中で堂々巡りを繰り返すばかりだったのです。

彼はニコッとほほ笑みました。

「君はここに通って何カ月になる?  僕たちの宗教や国籍は違っても仲間だろ。忘れたのか?  さあおいで。すぐそこでゆかいな仲間が待ってるぜ。なんでも話してごらん。みんな君の話を聞きたがってるさ」

そう言ってもらえただけで、正直私の心は少し軽くなっていました。
そこで私は彼と一緒にハウスに戻り、彼がヘブライ語で皆に話しかけると一斉に私に注目しました。

「言いづらいことなら日本語で話せばいい。誰も理解する人はいないからね」

お茶目にウインクしながらそういう彼に背中を押され、私は戸惑いながらもポツリポツリと日本語で話しだしました。
何を言っているかわからないはずなのに、みんな目をそらすことなく私の言葉に耳を傾けてくれました。

言葉に詰まれば励まし声をかけてくれる人、肩を抱き寄せて相槌をうってくれる人、それぞれ反応は違いましたが誰一人邪険にすることなく私を受け入れてくれました。

私の話が終わると一人のリーダーが皆の中心に腰を据え、ヘブライ語で話合いをはじめました。そこにいた人全員がそれぞれ自分の意見を述べ、討論し始めました。

先ほどの彼がそばにきて言いました。

「ユダヤの有名な教えと、今日の君の話とをつなげてみんなで知恵を共有しているんだよ。
考えすぎは毒! だってネガティブを引き寄せ病気になるからね。
安定させる薬は、見たり、聞いたり、書いたりすること。
自分を客観的に見られるようになるからね。
毒を消すためには話すこと。言葉を発することは、手術をうけることと同じだと思わなかった? 僕には今日の君を見てそう思ったな。人と話すことは浄化であるみたいだね。
とにかくユダヤ人は使命も試練も多い民族だから。こうして少しでも知恵を共有して生き延びるんだ。ポジティブな考え方がいつもうまくいくとは限らない。でもネガティブな考え方はいつもうまくいかないよ」


とても印象的なセリフでした。
確かに一人で考えすぎると、知らず知らずのうちにネガティブな方向へ落ち込む自分がいます。
しかしそれからの私は変に考え込むのをやめ、心のうちは人に話し、ポジティブに心を保つ努力をしました。

悩んでいると塞ぎたくなってしまうけれど、そんな時ほど言葉にして口から吐き出してみること。
必ずしも解決出来なくとも、人を信じ話してみること。
悩みを共有することで、知恵も共有することが出来ること。
そんな教訓を得た経験でした。

またとてつもなく困難な人生を送っていようとも、つねに明るく人を気遣う彼らユダヤ人の元気の源は、そういった人との繋がりにあるのかもしれません。

書いた私も、読んでくれた人も、お互いが変化できるように祈って締めとさせていただきます。

拙い文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。
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by exkokoro | 2011-08-08 12:44 | 人間関係 | Comments(0)

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